昨夜の仙フィルコンサートは常任指揮者の飯森泰次郎さんのラストコンサートでもありました。
ほぼ満員で膨れ上がった会場は長くヨーロッパで指揮活動をしてきたマエストロの最後の公演を期待して一曲目のワグナーから水を売ったような静けさで緊張感が漂っていました。
ワグナーの有機体を思わせるよどみのない旋律に酔いしれた後、休憩をはさんでブルックナーの7番でした。
ブルックナー特有の霞たなびくような旋律は仙フィルの弦セクションの得意とするところで、昔の宮フィルとは全く異なる高次元の素晴らしい演奏でした。よくぞここまでうまくなったものです。
プレトークでコンマスの神谷さんがマエストロのところにお邪魔した際にスコアブックにドイツ語でびっしりと書きこまれた文字に驚いたと話していました。
マエストロは思考がドイツ人なのでしょう。
終演後に関係者にお礼の言葉を述べて会場を後にしました。
いつかまたマエストロにお会いしたいものです。