人生は短く青春はさらに短い。
人の好みは経験に裏打ちされるのが普通だが、人間は既成概念に縛られて判断することが多くこれは無駄なエネルギーを使わないようにするための脳の働きの一つです。
外国の学会に行くときは事前にコンサート情報を仕入れて必ずチケットを予約していきますがそれでも良い演奏に出会うことは稀です。
大概は我が家で聴いたレコードの名演奏を思い出しながら比較して聴いている自分に出会います。
何度もリハーサルを繰り返し、だめなところは録り直しをして完成させるスタジオ録音が素晴らしいのは当然でしょう。
でも良い指揮者の演奏では会場と一緒に名演を作り上げることができるので一概にレコードが優れているとはいいがたいのです。
オーディオマニアはレコードからすべての情報を得ようとして七転八倒しますが元の演奏より素晴らしいものが再生されるのは基本的には無理。
中にはどこそこのホールの音を再現したいと頑張る人もいますが、よしんばそれが再現されても他のレコードがおかしく再生されることになります。
先日聴いた仙台フィルのブルックナーは会場に漂う霧のようなストリングスの美音が感動的でしたが、これはレコードからは絶対に出ない音でした。
仙台フィルを田舎のオーケストラと侮るマニアもいますがそれはとんでもない見込み違い。
世界中から選ばれた選りすぐりの技能を持つプロの集団です。
コンサートマスターはストラディバリウスの名機を貸与されている達人です。
食わず嫌いは損をするのです。
みんなで仙台フィルを応援しましょう。