今月はサントリーホールで五嶋みどりさんのベートーベンコンサートが火曜日から行われています。
水曜日はスプリングソナタをはじめとするいくつかのソナタを演奏してくれました。
ピアニストの外国人との息もぴったり合って、お互いを思い合うとてもすがすがしい日本的な美の極致と言ってよかったでしょう。
演奏はしなやかで繊細。欧米のバイオリニストに見られる脂ぎった演奏とは全く違いました。ストラディバリウスの高音がこれほど繊細に聴けるのは奇跡に近い。
良く知られたことですが彼女のバイオリンの先生はアイザック・スターン。シェリングやグリュミオーらとともに一世を風靡した有名なバイオリニストで私もたくさんのレコードを持っています。
先生からはいつも自分の音を出しなさいと叱られ続けたそうですから驚きます。
それでも11歳でニューヨークデビューを果たしていますから神童であったことには違いありません。気が付けば彼女ももう51歳になっておりました。月日の経つのは早いものです。
デビュー時からのレコードやCDはすべて揃えているので会場で購入するものはなかったのが残念です。
せめて今回の実況録音盤を出してくれないかなあと願うだけです。
最近は吉村ひまりちゃんが9歳で39ものコンクールで一等賞を取り話題になっていますがいずれひまりちゃんも五嶋みどりさんの後を追うでしょう。日本人として誇りに思います。
土曜日は〆のバイオリン協奏曲です。
全てのベートーベンの曲の中で私が最も美しいと感じる名曲中の名曲です。
二階席でオーケストラの心地よい響きに身を任せながら至福のひと時を過ごそうと思います。
生涯の宝物となる予感です。