伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

良い演奏と再生音とは無関係です

50年近く音楽再生に大げさに言えば人生をささげてきましたが、実演との乖離にはわかっていてもやるせないものを感じていたものです。

 

どんなに大したことのないと言うかヘタな(^^);演奏でも生の楽器の出す音は録音された角の取れた音とは異なります。

 

録音されたものは情報も減っているし何よりもスピーカーの出す粗密波は楽器の出す遠くまで音が通る物質波とは似て非なるものだからです。

 

大きな音を出したくてスピーカーのウーファーをダブルにして頑張る人もいますが所詮は粗密波。生とは違います。

 

シンバルのシャーンと言う音を鳴らしたくて高音をいじる人もいますが大抵はバランスが崩れてクラシックなど聞こうものなら頭が痛くなります。

 

そんな人はシンバルを買って家でぶったたけばストレス解消になろうというものです。

 

40年前に中古レコードを探して週末に東京の古レコード屋をさまよっていた時に、本当の名演と言うのを教えられました。たいていはSPの復刻盤か、モノラルのレコードです。

 

エネスコやティボール・ヴァルガそれにバーシャ・プシホダなどは高音質レコードを探しているオーディオマニアの目にも耳にも引っかかりません。本当の名人の演奏が眠っているのです。

 

昨年末にお邪魔した松江在住のコレクターのお部屋にも凄い名人たちのレコードが山のようにありましたが別にオーディオ的には取り立てて語るものはありませんでした。

それよりも演奏家の質でした。

 

ネットを見ると部屋中に最新のオーディオ機器を重ね上げて誇らしそうに微笑むマニアの姿が散見されます。

 

一度どんな演奏を聴いているのか探検に行きたいものだと思っているのです(苦笑)。

 

良い音イコールいい演奏と言うのは妄想です。