まだドイツが東西に分かれていたころ、放送局用に作られた西ドイツ製EMT927レコードプレーヤーは洗濯機のようなでかいモーターで有り余るトルクを発揮し凄い音を出していました。
当時の月給が数万円の頃に400万円ほどしましたからもうこれは雲の上の製品です。
アイドラードライブで瞬時に回りだすので放送局では鳴らしたいレコードの最初の部分に針を落としておきさえすればディレクターの合図ですぐに音楽が鳴り始めます。
世界中の民生用のへなちょこプレーヤーは逆立ちしてもかなわない力強い美音でした
我が家のものは日本用に電圧調整されたものではなく、正真正銘向こうの放送局で使われていたものなのでトランスでヨーロッパ用に電圧を上げて使用していました。
でも付属のイコライザーがFMアコースティックのフォノイコと比べて透明感にかけるおおざっぱな音なのでそれを外し、こちらも録音現場で使われていたノイマン社のプロ用イコライザーを目の玉の飛び出るような価格で導入し接続しましたが結果はバイオリンの胴鳴りが聞こえる極めてリアルな音に大変身で、グランドピアノは等身大のピアノの音がスピーカーからあふれ出るというすさまじさに一聴して仰天したものです。
でもそれから幾星霜。
先週異音を発して昇天しました。いずれ修理の予定です。
6台もあるからいいんじゃないのとの外野の声も聞こえてきますが、それぞれ違う美音で聴けるのがピュアオーディオの楽しみです。
ちなみに現在ヤフオクでは500万円以上の値段で取引されているようです。
日本に数台しかない絶品のイコライザー込みで1000万でいかがでしょう(笑)。