伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

五嶋みどり体験ということ

先週土曜日にサントリーホールで五嶋みどりさんのベートーベンバイオリンコンチェルトを聞いてきました。

 

二階席のはずれでお顔はあまり拝見できませんでしたが、バイオリンの美しい音色は会場の隅々まで響き渡り、水曜日のスプリングソナタに引き続き鳥肌の立つような感動を与えていただきました。

 

もうこれはコンサートに行くということではなく五嶋みどりを体験するという歴史の一場面に遭遇する感覚ですね。

 

コンサートの最後に弾いたのは彼女が作曲を委嘱した作曲家の作品でこちらはアジア初演とのこと。

 

この作曲家は世にタングルウッドの奇跡として知られる五嶋みどり15歳の時の演奏に聴衆の一人として立ち会っていたというおまけつきです。

 

この時の演奏会で五嶋みどりがレナード・バーンスタインの指揮で自作のバイオリン協奏曲を弾いていた時にバイオリンの弦が二本も切れてしまい、どうなるかと思われたその瞬間に第一バイオリンのバイオリンをさっと借りて何事もなかったかのように弾き始め、続いて第二バイオリンのバイオリンを借りて弾き切ったというあまりにも有名な出来事があります。

 

指揮者のバーンスタインが終わった瞬間子供のミドリを抱きしめてオーケストラも聴衆も大興奮したときの映像が今も残っています。

またその時のピッツバーグ管弦楽団の団員が、自分は3000年練習してもみどりの様には弾けないだろうと言ったのは有名なエピソードとして残っています。

 

そのみどりさんから作品を委嘱されて本当に光栄に思ったと会場で作曲家自身が述べていました。

 

二時間後いつまでも興奮冷めやらぬ会場を後にして帰宅の途につきました。