良く釣りはフナ釣りに始まりフナ釣りに終わると言います。
簡単なものこそ奥が深いという例えなのでしょうか。
子どもの頃雪の季節以外は一年中あちこちの沼や川に出かけ釣りを楽しんでいたものです。
大人になって海釣りに誘われ大きな魚も釣りましたが、静かな水面に浮かぶウキを眺めながら魚との出会いを待つのは海ではかないません。
撒き餌をまいたりたくさん針を沈めて動かしひたすら魚のかかるのを待つのはどうにも落ち着かないものです。
ですからやはり好きなのはいまだに朝早く出かけて静かな湖面に釣り糸を垂れ、赤い浮きが動き出すのを見るのが理想ですが今はなかなか機会に恵まれません。
長い間趣味にしている音楽鑑賞にも同じことが言え、ベートーベンに始まりベートーベンに終わるのが王道のような気もします。
56年の短い生涯にあれだけ多様な作品を作り上げ、しかもいつでも将来に対する希望にあふれていたこんな作曲家はほかにいません。
昨晩は東独の指揮者だったフランツ・コンヴィチュニーが亡くなる寸前に完成したベートーベン交響曲全集を一番から通して聴きました。
世界で最も古い歴史を誇るドイツライプツィヒのゲバントハウス管弦楽団を指揮したコンヴィチュニーのベートーベン全集は、カラヤンのように大向こう受けを狙わない真実味溢れる折り目正しい理想的なベートーベン演奏でした。
聴いているといつも前向きに生きたベートーヴェンの生きざまを表現した素晴らしい演奏に魅了されました。
レコードでは東独のエテルナレコードにモノラルとステレオの二度録音しています。
両者ともに素晴らしく昔からの愛聴盤ですが、今はレコードがなくてもダウンロード音源でも聞けますのでTIDALをお持ちの方はぜひダウンロードして素晴らしい音質でお聞きください。
最近ドイツからSACDも発売されました。