数年前に知人に誘われて近くにあった音楽スタジオでカンツォーネの練習に取り組んだことがあります。
望みはマリオ・デル・モナコのように声を張り上げてカンツオーネを歌いたいと思ったからです。
週一偏通っていましたが、発声練習から腹筋の大切さを教わったのはいい思い出です。
コロナ禍で通うのをやめたあと音楽教室をやっていた山野楽器もお店を閉めてしまいました。残念です。
勢いあまって、半年後のクリスマスに知人と二人で銀杏坂にある音楽バーで40人ほどを集めてリサイタルを開きましたが好評でした、と勝手に思っています(^^)。
さてその目標にしたマリオ・デル・モナコはイタリアが生んだ不世出の大テノールで、戦後に日本に来た演奏家の中でも一番だと今でも言われているほどの大歌手です。
最初にその名前を知ったのは偶然実家から通っているときの車の中で、彼の訃報からでした。
NHKラジオからその死を悼んで数曲が流されましたが、貧弱なラジオからでもその歌い方の凄さは十分に伝わって危うく事故を起こすところでした。
それから数十年後に手に入れたイギリスデッカの初期盤は音の良さも加わり物凄い音でリスニングルームを支配しました。もう脱帽です。まいりましたごめんなさいです。
でお勧めは、マントヴァーニ管弦楽団と共演したイタリアンソング集です。
カスケーディングストリングスの異名をとるマントヴァーニ管弦楽団の美しい弦の響きもさることながらそれに負けじといつ死んでもいいと思わせるほどの絶唱で美声を張り上げるモナコの声は人間の奇跡を思わせて感動的です。CDでもすごさは十分に伝わるので是非どうぞ。
最近仙台の弾き語りで有名な歌手が声が出なくなり、ビブラートでごまかしながらなんとか歌っているのを見て悲しくなりました。彼は朝早くから寒いゴルフ場で一年中ゴルフに興じているのだとか。
モナコは他人と話すときでも囁くような声で決して大声を出さず、一年中首の周りにマフラーを巻いてのどを保護していたそうですから心がけが違いますね。
のどは消耗品なのですよム〇ユ〇さん(苦笑)。