大ベストセラー「患者よがんと闘うな」の著者、元慶応大学医学部放射線科医師の近藤誠先生が亡くなったとのニュースが入って来た。
昔小生が38歳から12年間歯科医師会の学術委員長を拝命し毎月一回の学術講演会をやっていた時に、いつだったか歯医者の話はもういいでしょうと方向転換し当時大変話題になっていた近藤先生をお呼びしたことがあった。
せっかくだから一般市民にも聞いていただこうと新聞広告を載せたらたくさんの医科のドクターが来た記憶がある。皆さんさかんにうなずいていたがどう思ったのだろう。
講演後の食事の席でいろいろ話を伺うことがあった。
慶応高校から慶応の医学部に入ったが、相当勉強しなければ医学部には入れなかったのでかなり勉強はしましたと言っていた。それはそうでしょう。小生の受験時代でも慶応の医学部は東大医学部に匹敵する難易度だったと記憶している。
氏はもともと勉強は好きで朝早く起きて世界の論本を読むのを日課にしていたが、本がベストセラーになった後大学病院で教授にそんなくだらない本を書いていると万年講師どまりだぞと言われた(実際そうなった)ことや、廊下ですれ違いざまに同じ病院の医師がひゃーと奇声を発して逃げて行ったことなどいろいろな面白いことを話してくださったことを思い出す。
ガンにはそのままでも悪いことをしないがんもどきがあるというのは衝撃だった。
抗がん剤は重金属だから毒性が強く体の正常な細胞にはひどくダメージを与えるので勧めないとも言っていたが現在はどうなっているのだろう。
小生は13年前に大腸がんになったが小さかったので運よく切除だけで抗がん剤は使わなかったのが現在の健康のもとになっているのだろうか。
先生の亡くなった原因が虚血性心疾患と言うから、きっと心筋梗塞だったのだろう。
病院に運ばれた時には既に絶命していたようだ。
出来れば近藤先生にはがんにかかりその闘病記を執筆していただきたかった、と思うのは外野の野次馬の意見です。
どうか安らかにお眠りください。