ステレオ装置に夢中になって早四十数年経ちますが今までで最高のオーディオ機器は何だと問われると、短期間で消えて行ったDAT(デジタルオーディオテープデッキ)でしょう。
ソニーが先鞭をつけて開発販売を行った、カセットテープよりずっと小型のテープデッキです。
パイオニアやデンオンなども続き市場にそれほど多くはないが一定の流通を見たテープデッキですが、
秋葉原に行っても音楽テープがほとんど売られていず、数年で消えて行った幻の機器と言えましょう。
でも自宅で繋いで聴くと、音の素晴らしさは一聴歴然!。
特に当時は東ドイツのバイオリンの名手カール・ズスケの演奏するバッハは香り立つ名演で、レコードより音が良かったのが何よりの証拠です。
このテープは東京にDATのテープを作ってくれる業者がいて、たまたまズスケの知り合いだったのでそのオリジナルテープをDATにダビングしてくれたものです。
再生するとまるで肌に染み入ってくるような美音にはまいったものです。
世の中は簡便なものに移っていきます。
LPからCDへ、そしてダウンロード音源へとだれでも扱えて安く簡便なものへと変わっていきますが音楽性はだんだん落ちていくのがわかります。
先日ついにDATの機械が故障したのでなじみのオーディオ店さんへ預けました。
専門に修理してくれるところがあるそうです。
ダメもとで預けました。
こういう時に親しくしているお店があるとありがたいですね。
安けりゃいいと雑誌のオーディオ売ります欄でばかり買っている知人もおります。
でも大事な情報は得ることができないし、昔お邪魔したときは聞くに堪えないひどい音でした。
長い人生、ケチは結局損をしますね(笑)。
亡くなった父はケチな男は人間として最低だと常々話しておりました。
ずっと貧乏公務員でしたが昔戦争に行った男はそういう考えを持つのでしょう。