伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

走る棺桶

かつて日本軍の戦車は装甲が極めて薄く、敵の砲弾が当たると内部でそれが暴れまわり内部にいる兵士をめちゃくちゃにしたということを司馬遼太郎が書いていた。

 

だから戦車兵は固い鉄板に守られているという気がせず生きた心地もしなかったそうだ。走る棺桶だったと司馬遼太郎は書いている。

 

時代はだいぶ過ぎて一般に現在の戦車は分厚い装甲で兵士が守られていると一般には思われているが、ロシアの戦車はこの戦争を見るとどうもそうでもなさそうだ。

 

ロシアの古い設計の戦車は、戦車の砲塔に爆薬が納められているので、砲塔部を上から攻撃されるとたちまち砲塔が吹っ飛び、哀れ中の乗員は粉々に吹き飛んでしまうという恐ろしい状況。携行型ロケット砲のジャベリンの餌食になっている。

 

だからウクライナでやられたロシアの戦車は皆砲塔がどこかに吹っ飛んで戦車上部が何もない。

もう三分の一が喪失したと言われるロシアの兵はウクライナのいたるところで屍をさらしているか戦車内部で肉片に変わっている。さながら現代版走る棺桶。

 

ところでそんな粗末な設計はロシアだけで、他国の戦車は乗員を守るためにいろいろな工夫をしている。

何より兵士の数が少ないイスラエルではいざと言うときに戦車後方から乗員が脱出できるように作られているし、湾岸戦争ではアメリカの戦車M1エイブラハムは全数ほぼ無傷でイラクのソ連製戦車をことごとく破壊しつくしたから防御力はすさまじい。。

 

その時の戦車が今も使われているとは、ロシアは本当に金がないのだろう。

 

使えば地球に破滅を及ぼす核爆弾は何千発も持っていながら、それ以外の通常兵器を最新のものにする余裕はどうやらなかったようだ。

 

いまや欧米から供給された精密誘導兵器が弱小国家ウクライナを勝利の日に向かって進軍させている。

 

日本柔道の極意、柔よく剛を制すはウクライナのためにある言葉だ。