昨日アフリカのギニア大使を定年で退官した友人が音楽を聴きたいと尋ねてきました。
彼は東北大学の工学部の出身ですが何を思ったのか教養部で習ったフランス語を生かしたくて大使館勤務の道を選びました。変わり種と言っていいでしょう。
ゼネコンにでも入れば今頃は大金を手にして悠々自適の生活をしていたか、上司に恵まれずに左遷されて失意の年金生活をしていたかのどちらかでしょう(笑)。
でも自分でフランス語圏内の勤務を希望したためにフランスやスイスのジュネーブなどの領事館勤務を経て最後はアフリカのギニア大使でキャリアを終えています。
お金の使い道がないのでフランスで豪華ヨットを買ったそうですからうらやましい。
でもエイズをはじめとする風土病が猖獗を極め、さらにはしょっちゅうクーデターに襲われるアフリカ諸国の勤務は想像に絶するものがあったでしょう。
隣国に行くのに地元の飛行機はしょっちゅう落ちるのでわざわざエールフランスでパリまで飛んでそこからアフリカの隣国まで行っていたとか。まるでお笑いです。
ジュネーブにいた時にビザの申請に来たアラン・ドロンが決められた線の上にサインをしないで適当に汚くぐちゃぐちゃ書いていたとか(笑)、ピアニストのマルタ・アルゲリッチが一年中世界をコンサートしているので何冊ものパスポートを束ねて持ってきたなど楽しい話が聞けました。
何を聴きたいか尋ねたらシャルル・アズナブールの「帰り来ぬ青春」と言うのでダウンロード音源のTidalで聞かせてやったらフランス語の詩がぐっと身に染みると話していました。
やはり外国の曲はその国の言語で聴いてこそしっかり意味が解るというものでしょう。
これはビートルズでも同じです。
メロディーだけで盛り上がっていても曲の本質はわかりませんね。