伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

検察の復讐

先日日本で六人もの罪もない人間を殺害して逮捕されたペルー人の男が、

心神耗弱を理由に死刑から無期懲役に減刑されその判決が確定した。

 

だいぶ前に日本の司法制度が現実にそぐわない判例主義をとっているのを

改善するために導入されたのがあの裁判員裁判です。

これは普通の人間がどういう考えを刑事被告人に持っているかを司法の手から取り戻す!

という近代日本の法制度に極めて重大な意義を持った制度改革でした。

 

要するに今の司法制度は現実に即していないから一般人に判断基準をゆだねよと言うもの。

国民からの要望に沿った形で国が導入を決めた制度であった。

 

だからこの改革は現在の裁判制度に違和感を感じている国民にとって

日ごろのうっ憤を晴らす画期的なものになるはずだった。

 

しかしここから検察と裁判所の逆襲が始まる。

 

訳の分からないど素人の八つあんや熊さんに神聖な自分の領域を犯されてたまるものか!

と言う司法関係者の怨嗟の声が裁判所に満ち満ちていたと思うのは想像に難くない。

 

さんざん検討の結果として結局裁判員裁判は一審だけで、それ以降はプロによる仕事

となったのがこの制度を形骸化するこずるい結末となった。

 

お上のお情けで庶民感情のガス抜きはとりあえずしてあげますよ、ということだ。

 

だからこいつだけは許せない(怒)!と裁判員が死刑を選択しても

上級裁判所でひっくり返り、無期懲役になるケースが後を絶たない。

 

検察官のこの制度に対する復讐である。

 

これでは裁判員裁判にした意義が全くないと言わざるを得ない。

 

おそらく旧制度なら確実に死刑になったであろうペルー人。

でも裁判員制度に復讐を燃やす検察官と裁判所にはどうしても死刑をひっくり返さねばならない事情があった。

殺されるかと思ったペルー人はさぞや安どのため息を吐いていることだろう。

裁判員裁判でよかった・・・である。

 

この判決が小生が江戸時代の仇討ち権の復権を願うゆえんである。

 

危ない所を裁判員裁判で助かったペルー人の兄ちゃん。

無期懲役ならいつか娑婆に出てきてまた人を殺せるね。

人口が少ないと言って調子に乗ってどんどん移民を増やしていくと

この手の事件がますます増えるだろう。