最近墓じまいをしたり終活と称して身の回りの物を処分して身軽になる人が増えているというお話です。
これもファッションと同じく世間が作り上げた一つのブームと考えられますが、
私淑していた上智大学名誉教授の渡部昇一先生は死ぬまで本を買い続け、そのため増えに増えた14万冊もの本を保管する書庫をあつらえるために、七十歳を過ぎてから一軒家を建てたほどですから世の流行りとはちょっぴり違います。
人間は放っておいてもいずれ死にます。
気が付いたら死んでいたというのが理想なので、ある年になったら生命保険の保管場所や預金通帳の置き場所など金銭に関するものは一つの金庫に収めるか銀行の貸金庫を利用すればいざと言うときに家族が慌てずに済みます。
趣味のない人が定年後に新たに趣味を作るのは困難を伴いますし逆にストレスになるでしょう。無理をするのは身体に悪い(笑)。
私は子どもの頃からの毎日の読書と、自宅や別荘でのレコード鑑賞は身体が動かなくなる迄続け終活はしません。
理想はベートーベンの美しい音楽を聴きながら父と母の待つ国に旅立つことです。
そのためにも世に埋もれた素晴らしい演奏のレコードをこれからも買い続けていきたいのです。
先生の趣味は臨床ですね、と亡くなった恩師の奥田教授に言われたことを励みに仕事に励んできました。
こちらも常に欧米の論文をチェックしながら新しい知識の習得に励んでいきたいと思います。
右脳と左脳をバランスよく働かせることで人は健康に老いることができるのです。