危ない患者さんと言えば相場が決まっていて、昔は変態や金を払わずトンずらするお方、
そういうのはファックスでお触書が回ってきてこういうのが来たらご用心というのがあった。
あちこちで金を踏み倒す剛の者もいたがやがてそういう噂もトンと聞かなくなった。
最近は精神を病んでいる患者で、これはもう当たったら交通事故のようなもの。
見た目に異常にこだわりまるで本物の歯のように作らないとてこでも動きません
という御人がいるそう。
これは満たされない何か別の要因がありそれを歯に転嫁しているから精神科医の出番です。
一々付き合っていたら身が持たないのでもしも来たらそういうのが得意な先生に送るか大学病院。
引き受けた大学も気の毒だがそういう職業と思いあきらめていただくほかはない。
有名な審美歯科の歯科医が頼まれてやったら作り直すこと十数度。
とても商売にならないのでお金は結構ですからお引き取りくださいと
目いっぱい怖い顔をして言ったそうです。
こういう時は優男の歯医者ではだめで目つきの悪いどすの効いた声が出せる歯医者
でなければいけないでしょう(笑)。
また昔、恩師の教授が、頭のおかしいこれも大学の教授夫人を診察した時の話を聞いたことがある。
歯の神経の治療で最後の根管充填になると発狂して暴れると言うのがあったそう。
根管は詰めずに空洞にしておくと精神が安定するらしく、
それでは治療が進まないので往生したと言う話だった。
その後その奥方はどうなったのか知らないがきっと病院送りになったのだろう。
昔は頭のおかしいのはどんどん精神病院送りにしたが今は人権問題でできません。
開業医は皆そこそこの問題を抱えながら毎日の仕事をこなしているのです。