昔スウェーデンのイエテボリ大学に歯周病を勉強に行っていたころ、帰ってきて一生懸命に歯を残す治療に邁進していました。まだインプラントを本格的にやる前です。
それから十数年。定期的な市の保健所の検査があり来られたのは女性職員の方でした。
お話をすると女性のお父上が当院で昔治療を受けられていたとのこと。名前を聞いてすぐに思い出しました。
酷い歯周病で全顎抜歯が疑われる方でしたが一生懸命に歯磨きを覚えていただきこちらも懸命に歯周治療で歯石をとったり歯周病の手術を行い抜かずに済むことができた思い出深い患者様でした。
そしてまた歳を取っても自己管理で残せるというのは勉強した結果が実った事でもあり自身大変な感動でした。
その後しばらくは検診でいらしていたのが中断しそのままになっていましたがほどなくして亡くなっていたそうです。
お家で最期まで自分の歯で食べられたのでその方はわたしを神様だと言っていたそうです。
長いこと開業医をしているとこんないいこともあるのです。
街医者冥利に尽きる経験でした。