伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

国宝展

上野の国立博物館で開催されている国宝展に行ってきました。

 

冷たい雨の降る一日でしたが会場はめったに見られない国宝を一目見ようと全国から大勢の人が駆け付けました。

 

背の高い私でも遠くから眺めなくてはならないほどの人波です。

 

お目当ては遮光土偶と琳派の名品、それに菱川師宣の見返り美人。これは出口にあり撮影可でしたが残念ながらなんと複製でちょっぴり残念。

 

それと会場には大学生の頃にちょっと話題になった銅鐸がありました。

 

河童ブックスで出ていた銅鐸の謎と言う本。これは従来から言われて来た「銅鐸は五穀豊穣を祈るためのもの」と言う意味とは全く異なり、銅鐸表面の鹿を射る人と高倉式家屋をそれぞれ入鹿高御座と読み解き、蘇我入鹿が天皇に即位した(高御座といいます)ことを表すとして大いに話題になった本でした。

 

正史では入鹿はもちろん天皇になどなっていませんがこれはのちに大化の改新で中大兄皇子らにより滅ぼされてしまったからで、銅鐸を読み解くと一時期曽我氏が自分の娘を天皇家に嫁がせて権勢を並ぶものなき高みに持っていきましたが、元は朝鮮から仏教を持ってきた帰化民族なのでそれに対して土着の日本民族がクーデターを起こしたというのが本の執筆者の意見でした。

 

東北大学の日本思想史に籍を置いていた友人の勧めで読みだしたら止まらなくなり、あっという間に読了してそれ以来銅鐸には並々ならぬ関心を持っていました。

 

その銅鐸が目の前にあるのです。興奮しましたがいかんせん人の多さと照明の暗さで半分も見えませんでした。これは残念。でも鹿を射る人と高倉式建物はかろうじて見て取れたから満足です。

 

帰ってきてひどく体調を崩し仕事を休みました。

 

銅鐸の呪いかもしれません。