伊藤慎一のつぶやき

仙台市にあるセントラル第一歯科クリニック院長のブログです

オーディオのエイジング効果

ヤフオクで落札したレコードプレーヤーがエイジングの効果か極めて繊細な音が出るようになりました。

 

この英国製レコードプレーヤーは外部振動から逃れるために、プレーヤーを回すためのモーターが極めて小さくトルクが最小でそのままでは回転しないため手で回してやらなければいけないという仰天のプレーヤーでした。

 

当時の常識では重いターンテーブルをトルクの大きなモーターで強力に駆動してやるのが最良と思われていて、日本では特にそうでした。マイクロ精機やテクニクス等すべてそうです。

 

でも意に反してこの変わった手回しプレーヤーから出てくる音は、”静寂”とはこのことを言うのかと初めて世に知らしめた素晴らしいプレーヤーで、世界中のオーディオ好きに衝撃を与えた製品でした。私もお茶の水のオーディオショップでその音を聞き仰天してすぐに購入したものです。

そのころ世はすでにCD全盛でしたが、アナログの素晴らしさを再認識させるのには十分な製品であった気がします。

 

さてエイジングと言うのはスイッチを入れてしばらくすると機器が温まってきて動作が安定することだと一般には信じられていますが、本当のことはわかりません。

 

でも鳴らし始めのスピーカーはコーン紙が固くパッとしない音が出ますが時間がたつにつれしなやかな音に変わってくるのは良く経験いたします。

 

アンプやスピーカーそれにくるくる回るレコードプレーヤーは電流を流すことで器械が温まり動作が安定してくるのは本当でしょう。でも電気を流せばフレミングの左手の法則で半導体やコンデンサーが振動して劣化していくのもまた本当でしょう。

 

だからオーディオには全く門外漢の小林秀雄がオーディオマニアの五味康佑に機械の出す音はその時限りの事件で二度と再現しないんだ、と繰り返し言っていたのが真実でしょう。いい音は持続しないのだと。

 

エイジングで良くなったと感じ満足してもうたかたの恋のような物と考えるのが妥当でしょう。

 

毎日音を出さないと器械は劣化するし出し続けても劣化する(笑)。

 

缶詰音楽の再生は厄介なものです。

 

マニアは時々生演奏も聴きましょう。