初めて外国へ行ったのが30歳を過ぎてからでスウェーデンのイエテボリ大学だったから、
着くまで一日がかりだった。
日本人の同行者はみな小生と同じエコノミークラスで身動きもならずに鳥小屋の中の鶏の様だった。
それでも中には景気のいいのがいてビジネスクラスの広い席でそっくり返り、
機内食もいいものを食べていたのでショックを受けたものだった(笑)。
以来海外の学会に行くときは無理をしてもビジネスクラスで行き、
横になって眠れる幸せを満喫しているが、寝ているだけで倍の金額を払うのは癪に障る。
コロナ禍で今年はどこの海外学会もなくなってしまったので残念ながらその楽しみもなくなってしまった。
それと宿泊する宿は地域で最も良いホテルと決めている。
二年前にウイーンの学会に行った折は国立歌劇場の隣にあるザッハーホテルに泊まったが豪華絢爛。
入り口に宿泊者の写真が飾ってあり、ソフィアローレンやモナコ国王に嫁いだグレースケリーと一緒に
前の天皇陛下御夫妻の写真も飾ってあったのには驚いた。これは凄い。
でも知人御夫妻は大金持ちなのに向かいのコンドミニアムで外から食材を買って自炊をしていると聞いて、
せっかく最高の場所に来たのに何だろうなと不思議な感情にとらわれたものだった。
きっと旅慣れているので今更高級ホテルになんぞばかばかしくて泊まりませんよということなのだろう。
庶民は普段はつましい生活で贅沢をしなくても外国に行った時ぐらいは最高の生活をしたいと思う。
そのために一生懸命仕事をして蓄えを怠らないのが日常となっているのです。
たとえつまらないことでも、目標のない人生は空虚です。